試合のホイッスルが鳴り響く中、スコア表がぐにゃぐにゃと円を書くようにまわり出す。
太一はずっとずっと、私の話を聞くだけで、あまり自分のことは話そうとはしない。
一人で耐え忍んでいたんだ。
誰が太一の話を聞いてあげてたんだろう?
私なんて、言わせないでこの関係をずっと続けようと卑怯な事しかしていなかった。
今、孤独を御守りで耐えている太一に、
私は何もできないのかな?
――……悔しい。
ストンとスコア表と一緒に私の心が落ちていく。
「奏、ごめん! 私、行く!」
整列をしていてチーム皆や、相手のチームが振り返る中、奏だけは私を見なかった。
「俺、3ポイント入れて即効勝ってやる。安心して行ってこいよ」
そう言った奏の表情は分からないまま、私は試合会場までただただ我武者羅に走った。