ドッグランや芝生では親子連れがボール遊びやシートを引いてお弁当を食べる中、噴水近くのコンクリートの地面では、アイフォンから流れる音楽に合わせて踊っている人たちがいた。
黄色や青やらの色鮮やかな髪型に蛍光色の服。
奏もピンクのパーカーにダボダボのサムエルパンツで、直ぐにその輪に溶け込んだ。
私は場違いな黒の短パンに胸下からふわりと広がるピンクのワンピース。
すぐに彼女だろってからかわれていた。
全員が同じダンスを踊るわけじゃなくて、グループが二、三出来ていてその中で好きな所に入って一からダンスを考えたり、完成した奴をリーダーが教えていたり。
奏は大学生ぐらいの人達ばかりのチームで、弟のように可愛がられながら踊っていた。
バスケの新入生の歓迎会で見せたブレイクダンスは見たこと合ったけど、風を切る様な、楽しそうに身体を動かす奏は楽しそう。
風を切る度に、羽の形のピアスが弾むように音を立てて動くのが、気持ち良かった。
最後は私まで、ヘタクソなくせに一緒に見よう見まねで踊ってしまった。