「……うん。黙っててごめんね」
言おうかどうか悩んだのだけど、タイミングって難しい。
「それで良かった? 深雪は」
とっくに平らげた唯が、私の顔を覗きこむと、動揺した私のクレープに大きな噛み後を残していく。
「何だか、深雪ちゃん、元気がないから」
美緒ちゃんもそう小さく落とすように呟く。
心配してくれてたんだ。
「うん。ずっと奏が好きだったけど、……関係が形や大きさや色を変えていくのが寂しくて。もっと三人で居たいのに気持ちが邪魔をするんだ」
苦しいけれど、それは私の我儘で、多分二人に言っても分からないだろうなって心のどこかで捻くれてた。
良い子じゃないと、幼馴染なんて続けられないけど、良い子のままじゃいられない。