トクントクン

胸の音が激しいよ。

せっかく側にいるのに言葉がでない。


「これで全部……かな?」

立ち上がり周りを見渡す。

「あっ……はい。全部だと思います。ありがとうございます」

「いやいや。
ぶつかったのは俺だし気にしないで」


目を細めて笑う。
その笑顔反則だぁ……
胸が高鳴って、言葉が出ないよ。


「はい」


「……見かけない子だけど新人さん?」


立川さんがあたしの顔を覗いてくる。

キャァァ……
そんな目で見ないで。
心臓もたない・・・。
言葉にならない悲鳴をあげる。

「はい。本田由香里っていいます」


「本田さんかぁ」

立川さんがあたしをじっ〜と見る。
な…何?