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「おー。時間ギリギリだな!」

職員室に到着すると、担任の磯山先生がニヤリと笑った。

磯山先生は野球部の顧問で、明るく賑やかな性格から生徒にとても人気がある。

生徒と真正面から向かい合ってくれるとこも、人気の理由だった。

「おっ?やっぱ一分遅刻か!?」

磯山先生は楽しそうに私達をからかった。

「やー、勘弁して欲しいっす!」

すかさず手を擦り始めたケイが、面白くて。

朝から三人で爆笑していた。

「はっは!しゃーないなー。早く教室の仕事行け!」

磯山先生は私達を交互に見つめると、ニカッと笑ってくれた。