「部分的な記憶喪失ですね」






「え……??」





チラッ




達也を見ると

『ほらみろ』
という顔をしていた。



「うそ…ですよね?」

「いいえ、残念ながら事実です…」

「記憶喪失?どうして??」

「何か大きなショックをうけたことはぁりますか?」

「いいえ…」

『あります』

「達!?」

『…あります』

「おそらくその拍子にいくつかの記憶が崩れ落ちたのでしょう。」


なに?


「今、失った記憶の周りの記憶が暴走しています。」




なにいってるの???




「ですから近々次々と記憶を失うでしょう」





ナニイッテルンデスカ????






「まぁ1ヶ月もすれば記憶は全て戻りますけどね」









医師の言ってる意味が全く理解できなかった。








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『羽音?』


病院の帰り道、達也が心配そうに
ぁたしの顔を覗き込んだ。



「ん…だいじょーぶ…」



『嘘つけ、顔真っ青だぞ』


「だいじょーぶ…」


『羽音』


ギュッ


「達也?」



『……』



「なに?」


『俺がそばにいるから』


「え???」


『俺がそばにいてやるから…お前も俺のそばにいろ』


「………うん………」




そしてぁたしたちは手を繋いで家へ帰った。