そのころの私は何も知らず、純粋無垢だった。

『ねーねー拓海？セックスってなに？』

「え⁉ちょ、ちょっとどうした？？」

『だから、セックスってなに？
みんな知ってるのに教えてくれないの』

「いやー、うん、まぁ、うん。乃愛はまだ知らなくてもいいんじゃない？そんなに面白くないし」

『でもみんな知ってるのに乃愛だけ知らないんだよ？教えてよ』

「本当に知らないの？」

『知らないよ！知ってたら聞くわけないじゃん』

「あのね、それは今、乃愛言っても理解できないと思うよ。それに、エロい感じだから乃愛が嫌いな話題だし。」

『でも拓海は知ってるんでしょ？なら教えてよ』

「俺は乃愛にはまだ早いと思うし、急ぐことではないよ？俺が言ったらヤバいと思うし、上手く説明できないと思う。俺は乃愛に今はそのままでいてほしい」


今となっては、馬鹿な質問をしていた。
それでも、拓海は無視しないで対応してくれた。
そんな拓海に私はまだ惚れているのかもしれない。