真弓ちゃん達のことを考えていたら、いきなり松坂くんが止まって私と向き合う状態になった。
どうしたんだろ…?
そして松坂くんは私の目をじっと見ながら言った。
「…ごめんな…」
「え?」
なんで謝るの?
松坂くん、何か悪いことしたっけ…?
松坂くんは続けた。
「この頬。俺の所為で殴られたんだろ…?ごめんな…」
そう言いながら私の頬に触れる松坂くん。
「…いつ、やられたんだ?」
…ッ
ダメ…
ここで本当のこと言ったら松坂くんが自分を責めてしまう。
だから…本当のことは言えない。
「…こ、これ…昼間転けちゃって…
まだ赤み引いてなかったんだ…」
ごめん…嘘ついて…
「…えみ。嘘つくな。真弓達にやられたんだろ…?それ以外考えらんねぇ。
俺はお前を守りたいから言ってるんだ。迷惑とか責任とか…
そんなの考えるな。俺を頼れ。な?」
「…ッ…」
いつもと違う優しい言葉に泣きそうになる。