「えみ〜!ちょっとこっち来いよ〜!」
表の顔である龍汰が私を呼んだ。
私は素直に龍汰のところへ行った。
行かなかったら…
何をされるか分からない。
「どうしたの、龍汰?」
変わらず作り笑顔。
こんな状態で笑えない…。
「お前、今から俺の彼女だからな。ちゃんと合わせろよ」
龍汰の近くに行って耳元で言われた言葉がこれ。
彼女?
前の私なら喜んでただろうな…
でも、素直に頷く。
「皆〜!こいつ、俺の彼女だから!手出すなよ!」
クラスメイトに報告した龍汰。
皆は私達を冷やかしている。
そしてニコニコしている私。
人間ってこんなにも簡単に騙されるんだ…
でもこれぐらい我慢できる。
我慢すれば…
いつかは終わる…。