「なに笑ってんの?反省してないだろ?」
「してます」
「嘘つけ」
「ホントですよ。ただ、今日こんな風に桐谷くんのそばにいれると思わなかったから、うれしくて」
素直な気持ちを伝えると、虚を突かれたように、桐谷くんはビックリした顔をみせる。
そして、少しだけ頬が赤く染まった気がした。
「あんたは、すぐにそうやって思ったことを口に出さない方がいいと思う」
「えっ?」
桐谷くんの言葉の意味がわからず、小首を傾げた。
「じゃないと、こうなるから」
次の瞬間、チュッと軽く唇を塞がれる。
「……!!?」
油断していたせいで、突然の出来事に狼狽えてしまう。
ドキドキと騒がしい心臓の音は、先程とは比じゃない。
ていうか、みんなにバレてないよね……!?