ふわりと側頭部に手を添えられ、そのままコテンと頭を桐谷くんの肩に乗っける体勢になった。
……わわわっ!
みんなが前にいると言うのに、こんな状況……どう考えたってドキドキしてしまう。
ば、バレませんように……。
幸いにもみんなは、DVDの方に集中して爆笑したり、必死に見入ってるため、あたし達に気づいている人はいない。
でも、いきなりの桐谷くんらしからぬ行動に、あたしの心臓は休まらないんですが……っ!
「き、桐谷くん……?」
なんとなく、小声でつぶやく。
「なに?」
なに?って……何もないけど。
そっけなくとれる声だけれど、あたしの頭を撫でるその仕草はこの上なく優しい。