確かに勇者奈乃のHPゲージの残りは少なく、赤で点滅してる状態だけど、なんとか保つことはできている。
しかしはたから見たら、そんなに危なっかしい感じなのかな?
「でも、自業自得だし、ほんとに大丈夫だよ」
「全くもってその通りだからフォローできないけど……」
あ、フォローしてくれないんですね。
「……なんであんたは、無茶するのかな」
……でも、桐谷くんは、フォローよりもうれしい頭ポンポンをしてくれた。
どうしよう。嬉しすぎて口が自然とニヤけてしまう。
「だって、せっかくみんなが楽しみにしてるのにあたしだけ見れないって言ったら、空気壊しちゃうと思って」
桐谷くんも、楽しそうだったし……。
強いて言うなら、あたしも輪の中に入りたかった。
桐谷くんと一緒に、〝楽しい〟って思える時間を共有したかったんだ。
……結局、それが裏目に出てしまったけど。