「あんた馬鹿だろ。ホラー苦手なくせに、意地張って見たりするから……」



「……うう。ごめんなさい」



隣で桐谷くんが、ひどく呆れたようにつぶやく。


でもそれは、裏を返せばあたしのことを心配してくれてるということなんだと思う。


ポジティブな解釈だけれど、もしあたしに幻滅しているようだったら、こうやってわざわざ隣にきてくれないと思うし……。



やっぱり桐谷くんは、とても優しい人だ。



ただ、気がかりなのはあたしのせいでDVDが見れていないから、申し訳ない気持ちになる。



「桐谷くん。あたしは大丈夫だから、みんなとDVDを見てきていいよ?」



「別にいい。つか、そんなふらふらな状態でよくそんなこと言えるよね」