「悪いけど奈乃ちゃん、音聞こえないから音量あげさせてもらうな〜」



松岡くんはそう言いながら、詫びれもなくリモコンを手に取る。



「……ま、待って松岡くん……!」


それ以上、音を大きくしたら……!!




「ひぃやあああああああ!!」


あたしの叫び声が、イッチーの家で響いたのでした。






しばらくホラーの影響で疲労がたまったあたしは、みんなより後ろにあるソファーに座っていた。


みんなは地べたで第二弾のDVDに見入っている。



……すごい。


あたしはと言うと、もう何かを見る気力すら失っていた。