だがここで、あたしが空気を壊すわけにもいけない。
エアー読める系女子にならなくてはっ!
「あはは、楽しみー!」
冷や汗タラタラ流しながら、にこやかに言ってやりましたよ。
そして無事に上映されたはじめた映画。
開始早々、ホラーシーンが多々出現する。
「ぎゃああああああ!!!」
「折原うるせーよ!音聞こえねーだろ」
そう、今の盛大な悲鳴はテレビからではない。あたしの口からでた悲鳴だった。
あたしも自分で自分の悲鳴にビックリした。女らしさのない叫びに軽くショックを受けたところだ。
「奈乃のせいで聞こえないんだけど」
しかも見てよ。舞ちゃんのあたしに対してのドライな対応。
友達の心配より映画の音量を取るのね。舞ちゃん……!
でもそんな無遠慮なとこも好きだよ……!