「桐谷くん、もしかしてつまんない?」


あたしがそう聞いても、



「……別に」



……んー。やっぱりそっけない。








「呼ばれてないけどジャジャジャジャーン!なんと今日は 、この映画を見ます!」



意味わかんない効果音とともに、イッチーは堂々と手に持っているDVDを見せた。


それは……!



「あの大人気名作のホラー映画!
『血まみれの愛と青春ヒストリー』です!」



「おー、まじか!それ前から気になってたんだよなぁ!」


「ナイスチョイスだ市原!」



「「…………」」



……ま、まじかー!!


なにそのネーミングセンスのないホラー映画!


そんなのが今人気なの!?


最近の若者ってわっかんないね!!



……来るんじゃなかった!


きっとそう思ってるのはあたしだけじゃないはず!