時間は淡々と過ぎ、放課後になった。
剣道部の私は、準備をした。

「ねえ。」

「ねえってば。」

私のことだとは思わず、続けていると覗き込ませてきた。

「えっ」

思わず声を上げてしまう。

「無視すんなよー。」

前の席のひと。

「なんですか。」

「えー…と。笠木サンだよね??」

「そうですけど。」

「前の席になったからさ、仲良くなりたいなって思って。よろしく!」

ニカッと笑うそのひとは、やっぱり幼く見えた。

「よろしく…」

「敬語やめてね!あと、俺弓道部だからさ、剣道部よくみえるよー。w」

「わかった…」

剣道場と弓道場はすこし離れているけれど隣合わせで、窓を開ければどちらも見える。
だが、剣道部からは少し見づらくなっているのだ。
そして、既に準備を終わった私は部活に向かった。