ドアを無理に開けて、入る時には息があがっていた。

ーーーーーー。


一瞬、一瞬だった。
淡い青で彩られた空が暗い教室に光をさして、席で寝てるおとこのひとがいた。
しかし、それはたったの一瞬で、
すぐに我に返った。

寝顔が可愛くて、まるで小学生くらいの子がそこにいるようだった。

突っ立てるだけだった私は自分の席を探し、席に座ると驚いた。
そのおとこのこの後ろだった。

椅子には
《荻原翔輝》(オギワラショウキ)
の文字。

私の椅子には
《笠木千夏》(カサキチナツ)
の文字。

なんだか、なんでもないのに、
こころがぼそっとした。

この気持ちはなんだろうか。