「どうかした?」

「ううん、なんでもない」









 ふふっと笑う私を見て、大ちゃんはもっと不思議そうな顔をした。










「あ、そうだ。スマホ返して?」

「ああ、はい」








 胸ポケットから私のスマホが出てきた。



 そうだ。貰ったひつじちゃんリュックにつけよっかな。





 リュックを前に持ってきて、さっきとってもらったひつじをスカートのポケットから取り出す。





 チャックに付いたひつじを見て私は笑った。









「……かったな」

「え?」

「だ、から、悪かったなって。その、無理やり連れてきて……」