「やっぱすげーわ、佳澄は」
手を離すと大ちゃんはうつむいた。
うつむいた彼が、何て言っているか聞き取れなくて頭を傾げる。
大ちゃんはがばっと顔をあげ、さっきみたいな暖かい笑顔を私に向けた。
いきなりの行動に吃驚したけれど、その笑顔があまりに綺麗で心臓のあたりがきゅってなった。
「お前の前では、もう作るのやーめた。行こっか」
主語がないから言っている意味はわからなかったけれど、大ちゃんの笑顔が戻ったからよしとしよう。
先ほど同様、手を差し出す大ちゃん。
今度はちゃんと大ちゃんの手を握る。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…