「いいよ、大ちゃんって呼ぶよ」









 にっこり笑ってそう言えば大ちゃんは頬をもっと赤く染めた。



 






「そ、その。大ちゃんって呼べってのは、長谷川君って呼ばれるのが気持ち悪いからだからな!
 呼んで欲しいとかそーいうんじゃなくて……」









 今度は目線を右下に下げた大ちゃんが、段々静かになっていく。



 面白いな、って思って見ていたら大ちゃんが急に後ろを向き出した。



 くるり、とこちらに振り向き直した大ちゃんはボタンを第一ボタンまで止めネクタイをつけめがねをかけた。










「次は、プリクラでも取りますか?佳澄さん」









 真っ赤に染めていた頬の色も薄くなり、顔は冷静さを取り戻している。










「え、えぇ?!」

「どうしました?」








 くすりっと笑った彼が私の方を見る。