後ろから馬鹿にしたような声が聞こえて思わずむっとする。
そうだよ、私。何やってるんだ。こんな奴と一緒に楽しんじゃって!
早くスマホを返してもらって帰ろう。
なんて思ったとき、目の前にあるクレーンゲームのアームが動きだした。
「このへんかな、っと」
アームがゆっくりと下がって行き、くまちゃんのぬいぐるみをとらえた。
くまちゃんのぬいぐるみ!と思ったけれど、ひっかかったのはひつじのぬいぐるみのキーホルダーの部分。
そのままアームは取りだし口に向かい、パッとひつじのぬいぐるみを取り出し口に落とした。
「取れた取れた」
長谷川くんがひつじのぬいぐるみを取り出して自分の顔の前に持ちあげる。