3分もたたないうちにあいつは出てきた。
あいつの恰好はさっきまでとは違って、ちゃらちゃら仕様。
「お待たせ。で、どこ行く?」
「決めてないの?!てかスマホ返してよ!!」
「あー、あとでな」
何て言いながら私から目線をずらす大ちゃん。
あーなんかもう私が大ちゃんって呼ぶ方が恥ずかしくなってきた。
……やっぱり長谷川君って呼ぼう、よしそうしよう。
「とりあえず、どーする。ゲーセンでいい?」
「別に」
視線を下に下げ不機嫌そうにそう言えば、長谷川君は私の顔を覗き込んできた。
「なんで不機嫌なんだよ」
「別に」
「エリカ様かよ」
自分でも態度悪いなーなんて思っていたのに、そんな突っ込みが入って思わず笑ってしまった。
笑った私を見て、長谷川君も笑った。