「お久しぶりです」







 ぺこり、と頭を下げると、彼も頭を下げてきた。



 そっか、そういえば渡辺さんも同じ高校だったもんな。







「俺1組。佳澄ちゃんは?」

「あ、2組、です」


「そっかそっか。あ、大輔見かけたらさ話しかけてやってよ」

「大輔………?」


「合コンのとき、佳澄ちゃん連れ出したやつ」







 大輔、そういえばそんな名前なんだっけ。


 渡辺さんは肩にかけたタオルで額の汗を拭った。







「なんでですか………」

「いきなり佳澄ちゃん連れ出して勝手に帰って迷惑な奴って思ったかもだけどさ。
 あいつ、不器用なだけなんだ。本当は良い奴なんだよ。
 あいつ、多分、佳澄ちゃんのこと気にいったんだと思うから」






 と、渡辺さんが言い終わったとき。






「何やってんだよ、2人で」








 あいつが来た。