「だから、男は間に合ってます」
大声で言う私に長谷川君は驚いた表情をし、本当に楽しそうに笑った。
ちょっとだけカッコいいと思ってしまったのが悔しい。
「で、名前なんだっけ?」
「はああ?」
すっとぼけたことを言う彼に、私は思わず叫んでしまう。
こいつ、私の自己紹介何も聞いてなかったの?!
「俺、今日ただの人数合わせだったからさ」
薄く笑みを浮かべながら悪い悪いという彼は、本当に悪いと思っているのだろうか。
「長谷川 佳澄だよ」
「同じ名字なんじゃん。で、佳澄クラスは?」
さっそく呼び捨てかよ、しかも名前で。
とは思ったけれど、突っ込まないようにした。またいろいろ言われそうだから。
「……2組」