「………なに?」










 低い声でそう尋ねる長谷川君。




 咄嗟に私が出た言葉は、










「第一ボタン、外れてますよ……」










 さっき思っていたそれで。 って、私の馬鹿!!聞きたいことはそんなことじゃないのに!!




 長谷川君は、ネクタイを少しずらし第一ボタンをとめた。












「君、抜けてるようで意外と見てるんですね。ちゃんと」











 ………あれ? 今さらっとこの人毒舌吐いたよね?



 抜けてるようで、って言ったよね?









「こんな地味な男に言われたくない……」