「中身はなに」
「梅と昆布。まー、オーソドックスにな」


その言葉にまたビクッとなる。


「…え?桐、嫌いだったか?」


私の反応に四季が少し悲しそうだ。
またやってしまった…。
嫌いじゃないんだ、むしろ好物なんだが…。


「あー…そうじゃないわ、四季」
「??」


來が察してくれたようで、フォローしてくれた。
さすが、腐れ縁てやつだ。
四季には…もう少し落ち着いたら話そう。

私はゆっくりおにぎりを咀嚼した。
ただのおにぎりの筈なのにふっくらしててとても美味しい。
さすがお母さん、いや、四季だ。
これでもう少し見た目が女の子らしかったら、もててると思うんだがな。


「人の顔じっと見てどうした?あ!やっぱ不味かったか……?」
「いや、すごく美味しい。…ありがとう、四季」
「どーいたましてー」


微笑みながら言ってくれた。
なんて優しい人だろう。

こんな風に話しているうちに先生が教室に入ってきたので、それぞれ自分の席に着いた。