「あら、この学校の王子様が1年のクラスに来るなんて意外だわ」


全然驚いてなさそうに來が言う。

学校の王子様?
いやそれ以前に、まさかこんなところで会うなんて驚きだ。
見た目年齢20歳くらいだと思ってたし、赤の他人だから問題ないと考えてたのに…。
世界は本当に狭い…。


「その呼び方、できればやめていただきたいのですが…」

「努力しますわ」


あ、そういえば、來は学園の王子様が嫌いだって言ってたな…。
だから、全身から不のオーラをだしてるのか。


「てか、桜夜先輩はなんでこのクラス…というより、私らに声かけたんすか?」


年上だとは思ったけど、四季、食べながら話すのは流石にダメなのではないだろうか…。
と考えている私は、できれば関わりたくないのでひたすらご飯を食べていた。
本当に四季のご飯おいしい。


「あぁ、四季さんたちというより、浅羽さんに用事があったんです」


関わりたくなかったのに、やっぱり昨日の人なのか……。
敬語で話してるから人違いかなと思ってたのに…。
あれを返すとか言わないで欲しいんだが…。


「まさか…桐ちゃんにもようやく春が?!残念ね!桐ちゃんは私のものよ!!」
「らーい。戻ってこい。桐はお前のじゃないぞ」


2人とも、嬉しいけど今はそういう感じじゃないんだよ?
てか、春ってなにさ。