授業の大半を寝ていたせいで、あっという間に昼休み。待ちに待ったお弁当の時間だ。
とは言っても、さっき四季特製おにぎり食べたからお腹減ってないんだよね。
こんなこと四季と來に言えば、怒られちゃう。
でも今日は特別だ。
お母さんこと、四季が私たち2人にお弁当を作ってきてくれるんだ。


「さあ、四季!早くお弁当出しなさい!桐ちゃんもお待ちかねなのよ!」


私を引き合いに出すなよ。
てか來が待ち通しいんじゃないのか。目がとても輝いてるし。昨日言い出したの來だ
し。


「なんでお前は女王キャラになってんだよ。そんなこというんなら來だけはナシな」
「そんなこと言いながらくれるのが四季ちゃんデショ?」
「うざいよ、そのキャラ」


私は呑気に2人の会話を聞きながら、辛辣な言葉が飛び交う中の、温かい雰囲気を感じていた。
この2人といると安心する。でもその分失うのはあっという間なのかなーと考えると鼻で笑いたくなる。
こんなの茶番のような関係でしかないと思う自分に嫌悪しながらね。

なんて考えてたら、四季はお弁当を3つ出そうと……。


「……。」


私と來は驚きで、思わず声を忘れてしまった。