都心にある大きな家。
そこを通る人は口を揃えて言う
「流石、白桜財閥だわ、住む世界が違う」
私は、白桜財閥の長女。
白桜美麗 この春から高校生に進級した。
両親の望む学校に私は進んだ。
私は、両親に逆らうことができない。
…自分の意見を言うことができない。
幼い頃から、薄々気づいていた。
自分は、他の人と違うことに…。
両親の目の届く範囲内に置かれていた。
籠の中で育てられていた。
大切に育てられているということで
多くの人が勘違いをする。
愛されているのだと…。
私は、両親に愛されていない。
あの方々が愛しているのは、自分と私の妹達だけだと…。
私には、一卵性の双子の妹がいる。
姉が白桜優里 妹が白桜瑠里
ふたりとも賢くて容量が良い。
与えたことはすぐに取得して身につける。
両親の血をそのまま受け継いだような存在
それだから、可愛くて仕方ないのだろう。
優里と瑠里にしか今では口をきかない。
私の存在なんて忘れているかのように