彼は人のいない家に入って、私を入れて自分も入った。
2人で並んで座る。
まだ、繋がれてる手。
『あ、あの…手』
彼もアッという顔になる。
恥ずかしくなって私から離そうとする。
だけど離れない。
『…え?あ、あの。手を…離して欲しいんです』
『嫌だ。離さない』
どういうこと…?
『君を守るって決めたんだ。だから離さない』
急にそんなこと言われても…。
『よくわからないけど…、離していただけません?』
変なことされるのかと思い、私は手を離そうとした。
そして不意に言われた。
『お前。問屋の娘だろ』
『まあ、そうですけど…』
なんだかこの人ならいいかなって思って、手を離さないで握ったままでいた。
『なんで死のうとしてたんだよ』
突然言われて驚く。
言葉が出てこない。
なんて答えたらいいの…?
わかんないよ…。