頬を包み込んでいたものがさらりと撫でるように動くのでくすぐったい。

「いいの?姉さん…もう8時前だよ?」

耳元で囁かれ、ふうーっと息を吹き掛けられる。

「…ひやっ!」

ぞわっとした感覚で、さすがに目を開けると、そこには微笑みながら私を見下ろす弟の姿があった。

「優ちゃん!?」
「おはよう、姉さん。」

私の顔にかかっている髪を丁寧な手つきで払ってゆく。

「目が覚めた?」