「姉さん。起きて。」

清んだ心地のよい声が、まだ眠りから覚めていない頭の中に聞こえる。

「姉さん。朝だよ。」

軽く身体を揺さぶられて、重たい瞼を少し開くと、カーテンの間から溢れる眩しい朝日が、容赦なく寝起きの私を襲ってきた。

あまりの眩しさに再び目を閉じると、頬に大きくて温かいものが触れる。

「早く起きないとだめだよ?」
「ん…。。」

目を開けなければならないとわかっているのになかなか頭は覚醒できない。

「聞いてる?」

ベッドの端がぎしりときしむ音がした。