「…んんっ…竜兄…?」

「あ、起こした?悪いな。せっかく寝てたのに。」

希奈の頭から手を離す。

「ううん。大丈夫…。竜兄は今から寝るの?」

眠そうな目をこすりながら言う。

こういうところ、少し可愛い。

「あぁ。横、入るぞ。」

俺はベッドに入る。

希奈は「ふふっ」と笑った。

「何だよ…。」

「なんか…暑い季節なのに…ベッドに竜兄がいても…暑くないの……あったか…ぃ…。」

希奈は寝てしまった。

寝息をたてて寝ている。

中学2年生なのに、文句をあまり言わない子がいるとは。

親があんなんなのに、ちゃんといい子にしてる。

反抗するのは親だけにかもしれない。

学校で嫌なことがあっても、いいことがあっても、俺に話してくれるし。

いろいろ考えていたら、いつの間にか寝てしまった。