「卵…卵…。あった…」 10個入りの卵を手に取る。 「竜兄、卵あった〜。」 「サンキュー。他の物は持ったから、レジ行ってから帰るか。」 竜兄は、さっさとレジに向かう。 私は少し不安になってしまった。 竜兄まで、両親のようになってしまうのではないかと。 「大丈夫…。竜兄なら、希奈を大切にしてくれるよ…。」 そう思おうとするたび、余計に不安になる。 明日は、今日と違う竜兄がいるような気がする。