「走るぞ?」


その言葉と同時に

リオンくんと繋がれていた手は
無理矢理引き離され


「え!?ちょ!?っ」


総一に腕を掴まれたまま
すごい勢いで
引っ張られるように
走り出してしまっている。


「ちょ、真弓ちゃん!?」


後からリオンくんの声が聞こえるけれど

振り向く余裕なんてものはなく

ただ、前を走る総一の後を
必死で走っている。



そして、



「戻りたかったら、俺の手振りほどいていいぞ?」


そう薄ら笑いを浮かべ
言っている総一は
きっと・・・

私がこの手を振りほどく事ができないと分かっているのだろう。

そんな言葉に


息を切らしながら
その場に立ち止まってしまう私。