家の前に車が停まると

「真弓ちゃん、また明日
１０時頃に迎えにくるからね」


「え？」


「俺、土日休みだから
明日も休みなんだ。
んじゃ、明日ね」


「あ、はい。
ありがとうござました」


「総一が心配して
出てきてんじゃん。
ほんとあいつ保護者だわ」


そうリオンくんは笑っているけど

私は・・・・

うれしくて、
このまま駆け出して抱きつきたいほどの衝動にかられてしまっている。


車のドアを閉め
走り去る姿を見送ると

そのまま玄関へ
歩いて行く。


「おかえり」


「ただいま・・・」


本当は、抱きつきたい。


本当は・・・


好きなんだよって

叫びたい。

でも、そんな事したら

一緒にいられなくなる。


そんな気がするから・・・


口から溢れてしまいそうな気持ちを必死で飲み込むんだ。