「さぁっ、鬱展開にはまりそうな話はここまでにしてっと――」




「ステッキさん――かぶってないよね――」


「何をだ、りおん――」


「いやぁ、何かキャラというか、設定がねぇ――」


「何も心配するな――」


「うーん、何か、英霊達を召喚して聖杯争奪戦を繰り広げるあの物語の、スピンオフ魔法少女ものに微妙に似ている様な――」


「自虐的になる必要はない――魔法少女ものの設定など、どれも似たり寄ったりだ――異世界、勇者、ハーレムものよりはまだましだ――我々は隙間の隙間を突いてゆく――問題はない――」



「うー、でもステッキさんの声って何処かで聞いた様な――」


「ギクッ――」




「あっ――わかった――」


「言峰――――」


「りおーーんっ、ノーコメントでお願いしますっ――」



「ま、まぁステッキさんがそこまで言うなら、もういいけど――」


「う、うむ、察しがいいな、りおん――」


冷や汗を拭い、ステッキさんは安堵した――。



「そうだ、願いが叶うなら、手近なものでいいかな――」


「うむ――」


「うへへ――」


怪しく笑う――。