「りおん――あれを見ろ――」


ステッキさんの声に、振り返ったりおん――。



「わぁ――」


「地球って、こんなにも大きくて、こんなにも蒼いんだね――」


何もかも浄化され、澄みきった瞳と心でりおんは地球を愛おしく眺める――。




「あそこで、人は生きてるんだね――」


「ああ――」


「人が歩き、車や電車が走り、船が海を進み、飛行機が空を飛んでいる――」


「そうだな――」


「人間が生まれ――死んでゆく――」


「ああ、そうだな――」


「本当にこの下で、人や動植物が、それぞれ日常を営んでいる――ここにいると、国境とか人種とか、もうどうでもいいよって気がしてくるよ――」


「全ての人々が、こうやって地球を見れば、次の新たなる世界に進んでゆけるかもしれないな――」


「しかし、現実は厳しい――こうして気ままに宇宙空間から地球を観賞できるのは、魔法少女しかいない――」


「だからこそ、魔法少女は敵を倒し、この地球、営みを守らなければならない――」


「たとえ、人の理想とかけ離れた、現在の世界であっても、我々は使命を果たさなければならない――」