感極まるステッキさん――。
淡いピンク、濃いピンクを上手く組み合わせ、魔法少女っぽくアレンジの効いたチアガールスタイルのシャツとスカート――過剰ではないにせよ、ヘソ出し要素もクリアしている――。
肩にかかる、通常のりおんの髪だって、幼げな少女の如くお団子風に纏められ、リボンがあしらわれている――。
ステッキさんの努力の跡が伺える「立派」な魔法少女たるコスチューム――。
「しゅ、主人公補正モードでカバーしているからな――」
強がってみたステッキさん――。
「元に戻ったね――」
笑顔のりおん――。
「でもぉ――スカート丈、短過ぎない――パンツ見えちゃうよ――」
誰も「いない」空の世界で辺りを見回し、右手でヒップを庇いながら、りおんは言った――。
「それは、男のロマンなのだ――りおん――」
「むぅ――」
「これも、主人公補正の一部と思ってくれ――」
「わかった――」
「さぁ、ここからが本番だ――もっと上へ行くぞ――」
「ここで、敵をやっつけるんじゃないの――」
「りおん――敵は、宇宙にいる――」