小首を傾げ、疑念を抱いているだろうりおんを見ていると、もっと「魔法少女」らしくそして、可愛らしく仕立てられなかったものかと、ステッキさんは自らを責めた――。




魔法少女は憧れの存在――選ばれし少女の究極なる姿は、美しい偶像にして、崇拝の対象である――。



それなのに――――と、「唇」を噛むステッキさん――。





「どうしたの、さっきから黙って――」


「わたし、別にがっかりしてないよ――寧ろ在庫のわりには結構、可愛い感じじゃないかなぁ――」


りおんの気遣いの言葉――。


「――――」


「こんなものかって――わたしの言い方が悪かったかなぁ――これは、これでいい感じだよ――うん――それに、あまりにも魔法少女ってコスチュームも、わたしには似合わないと思うし――」


「そ、そう言ってくれると――」


「わたしも、ネタを呪文に使ったり、かなり適当な変身シークエンスやっちゃったりして苦労かけてるし――」


「わたしに似合う様に、見繕ってくれたんだね――嬉しい――」


りおんは、ステッキさんを見つめ、はにかんだ――。


「ううぅ――りおんっ――」