『拒否反応――なし――』


『促進剤浸透率――10、15、20――』


この間も、一言もステッキさんは発しない――意識さえ、ここに留めているのかもわからない――サーバーと同期している事で話せない程に、自身に負荷がかかっているのか――不安でもあり、寂しくもあるりおんの気持ち――。



『浸透率――30、35、40――』


「ほわっ――」


手のひらから、仄かな温もりが全身へと広がってゆく――。



『浸透率――90、95――――100――』


『投与完了――遺伝子保有者の生体、意識レベルのダメージ――――異常なし――』


『魔法遺伝子覚醒率――計測開始――』


『覚醒率――20、30――』


「はっ――」


思わず言った――温もりの質が変わり、複雑に張り巡らされた血管を把握できるかの様な感覚の進化と、感情の高ぶりに意識が、魂が反応していたのだ――。



反応を視覚化で示すかの様に、りおんの躰が発光する――。




『覚醒率――80、90、95――――100――』


『魔法遺伝子の完全覚醒を確認――』



『最終承認シークエンスへ移行します――』