「りおん――――」
あまりのダークっぷりに、悪ふざけが過ぎたと自戒したステッキさんは、気遣った声で言い、りおんに寄り添う――。
「ぐわっし――」
項垂れたまま、ステッキさんを力の限り鷲掴むりおん――。
「あるよね――――」
「えっ――」
戸惑いと苦痛の声――。
「いやぁ、あるでしょ――在庫が――」
顔を上げたりおんは、闇声、闇眼差しでステッキさんに問いかけた――。
「ある筈だよ――うん――倉庫のどっか片隅に忘れ去られている、魔法少女の在庫がさぁ――――」
「い、いやぁ――どうかな――」
「あるよ、きっとあるよ――っていうか寧ろ、もうそれでいいからさぁ、探してよ、探せるよねっ――――」
「ど、努力します――」
鬼気迫るりおんに負けた――。
善処の言葉を聞き、闇世界から帰還したりおんはステッキさんを解放した――。
「んっ――」
「あっ、キャッチ入った――」
古い電信用語を用い、ステッキさんはりおんから距離をとる――。
「もしもしぃ――――ぁうん、オレだけど――」