「りおんも、魔法少女になる訳だから、こんなコスチュームを纏い、なりたい魔法少女像がある筈だが――――」
「うーん――特にないし――」
「ガクッ、つれないなぁ――魔法少女っていったら、女の子の憧れの職業じゃないっすか――その憧れの存在に、りおんはなるってのに、全くつれないなぁ――」
「そもそも職業じゃないし、憧れてもいないけど、仕方ないから一応観てみますか――」
タブレットの電源を入れ、画面を右に左にスワイプする――。
「あれっ――確かカタログって聞いたけどステッキさん――」
「うっ――」
「スワイプしても、ページめくれないし、1番、2番、3番って枠しか画面に表示されないんですけど――」
「ギクッ――」
「あれぇ、これってつまり、三つしか選択肢がないって事だよね――カ、タ、ロ、グと言いつつ――」
「ま、まぁ落ち着こうかりおん――確かにラインナップは少ないが、私が厳選した珠玉の3種類だから、説くとご覧あれ――」
「もう――――はいはい――」
また、煙に巻く様な言い方で――少し呆れつつも、1番の枠をりおんはタップした――。