「ここ美術室ね」


「へ~」





美術室っていったら…







稜と初めてあった場所だな










あんまいい光景じゃなかったけどね









「波奈ちゃん。」


「ん?」


「波奈ちゃんって彼氏いるの?」


「えっな、なんですか急に!」


「いや、もしいたら学校案内なんてまずいかなーって」






なんだ…






なんか稜的なこと考えてるのかと………










いやいやいや、あたし最低ですな







この純粋な志田君……じゃなかった桃夜に稜的なことだなんて








「あ、好きな人は……いるんだ?」


「いやっ、あの………うん」


「うはー!可愛い波奈ちゃん!」


「えぇっ!ちょっと志田君っやめてよ」


「志田君?」








え…………









なんか今、ものすごく目の奥が黒くなかった?







気のせいかな?









「桃夜…」


「うん!そう言ってくれると嬉しい」


「あはは…ごめんごめん」


「何謝ってんの〜!あ、波奈ちゃんの好きな人ってどんな人!?」


「え…………それは……」









分かりませんとか言えないわ







「波奈ちゃん可愛いから好きな人もかっこいいんだろうな〜」


「えぇっだから志田……桃夜っ」


「フルネーム?」


「いや、はい……ごめんなさい」






やっぱり志田君としか言えないよ






だって美青年すぎて。









しかもさりげなく目の奥が黒い