◇◇◇◇◇
「千枝ちゃーーーん!!!」
教室に入るなり、あたしは千枝ちゃんに抱きついた。
「げっ、何波奈?どうしたの?可愛いけど」
「げって何ー!ひどい、千枝ちゃん!」
「で?なんかあったわけ?」
スルーした!
今、千枝ちゃんあたしの言葉スルーした!
まぁ、いいけどさ…
「やばいやばい…どーしよー…」
「何が」
……千枝ちゃん相変わらず素っ気ない…
「今、田嶋先生に頼まれて美術室に物を置きに行ったんだけど…………」
「……うん」
「き、き、キス…してたの………………見ちゃった…………………………」
「誰が」
「チャラ男とケバ女!!…ねー、千枝ちゃんあたしどーしたらいい!!!?」
「目あったの?」
「チャラ男と目…あっちゃった…」
「顔は覚えてるの?」
「ううん、全く」
って、なんか事情聴取みたいじゃん!
「じゃあ、向こうが波奈だって気づかない限り大丈夫でしょ」
「そ、そっかー………良かったわー」
あたし、もう生きられないのかと…
だってチャラ男、金髪だったから。
ひぇーー!!
思い出すだけで恐ろしや…。