そこには頭からバケツの水をぶっかけられたかのようにびしょぬれの

結人君が立っていた。

そのまま席に近づくとドカッと座った。

「どうしたの?そんなに濡れて。大丈夫?」

「なわけないでしょ。屋上にいたら急に降ってきたんだもん。」

結人君、屋上いたんだ。

「結人君、いつも屋上にいるの?」

「ああ、みんなには内緒だよ。今度連れて行ってあげる。」

「うん。あ、タオル使う?」

私はいつも常備していたタオルを結人君に渡し、読書に戻った。