「お前さ
うちに体入こない?

全額日払いだし、
俺もバックつくから
半分やるよ。」

「いいよ、光輝、
水商売なんて
絶対しないって
いってるたい。」

「あのさぁ、
お前さ

いつまでそんなこと

言ってるの?

俺だって野球したくて

大学で

こっちきて、
けど挫折して、

中退して
いまは飲み屋のボーイだよ。
だって仕方ないだろ、
生きていかないといけないんだから。


けどいいんだ。
中洲の女は
中身は悪すぎるけど、

綺麗だし、
大好きな野球選手にも
逢えるし、な。

あんまりみなくなかったけどさ。

とにかくだ、
いいから
体入こいよ。」

確かに
そうだ。
生きて行くには
お金が、不可欠だ。

頼る実家もない。



「わかったよ、
わかった、、

けど、

あんたのところは無理。

恥かしすぎる。」


「わかったならいいんだ。
どこでもいいから
体入行く前に俺に言えよ。

どんな店か
調べといてやるから。
じゃあ俺そろそろ
中洲いくわ。
これで払っといて。」


「ごめん、
ありがと、またね。」

あいつは
タラシないい男だ、多分。

天神のスタバから、
そとを眺める。

みんなどんな気分で
毎日をこの街で
過ごしているのかな。

急に感じる孤独感は

同じ九州といえども
都会特有のものなのだろうか。