「じゃぁ、騒がしいの嫌い?」

水嶋がくすくすと笑いながら
問いかけてくる。

「ううん・・嫌いじゃないよ?」

私は首を小さく傾げて
答えた。

すると水嶋が私の髪の毛を
くしゃくしゃとした。
すると頭につもっていた
雪がはらはらと儚く散って、
アスファルトの上に落ちた途端、
静かに姿を消す。

雪って儚いものなんだね。

心の中でそっと呟いた。

「雪つもってる。」

水嶋は笑いながら
雪をはらい落した。

「ん・・ありがと・・。」

素直になれないまま
私は礼を言うだけだった。
こんなの、周りから見れば
カップルじゃん・・・。


そして自動販売機の前に二人は
立ち止まった。私は俯きながら買い終えるのを
隣で待っているだけだ。