・・・大人には・・なりたくない。
大人になっても傍に翼が居てくれる保障なんて
ないんでしょう?
あーあ、こんな世の中やだなあ・・。
そんなことを沢山思っていたら、自転車が
止まった。
「ついた!!」
翼が無邪気に笑いながら
私にスクールバックを渡す。
「もうついたの・・・?」
ちょっと、寂しかった。
「急にどうした?」
翼が俯いてる私の
顔を覗き込んで訊ねる。
「寂しいよ・・、ぎゅってして・・?」
こんなわがまま聞いてくれるわけないと
思いつつも泣きながら言うと、
翼はすんなりと私のわがままをきいてくれて、
そっと私の肩を引き寄せ、
ぎゅっと優しく抱きしめてくれた。
そして私の額に軽くキスをすると、
口を開いた。
「いつでも電話できんじゃん・・、だから心配すんなって。」
そういいながら私の頭を撫でた。
そして「じゃぁな」と言い、
手を振りながら姿を消した。